第6のサヨナラ
もしブル
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スハ
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プが吹けたら
いい歌を奏でるだろう
その4
あの時
僕らは
ちぎられアルト
に乗
確かに
どこかへ向か
ていた
どこへ向か
ていたのか
思い出すことはできない
途中
雨が降
てきたので
ワイパ
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のスイ
チを入れようとした
友人が操作を誤
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液を飛び出させ
それが叩きつ
けるような雨に泡だ
て前が見えなくな
死ぬかと思
たこと
パワステのきかないハンドルのせいで
曲がるのにもずいぶんと力
がい
たこと
それから
窓を開けるためには
手を回
さなければならず
それを繰り返していたら
途中で取
手がボキ
と折れて
窓が閉まらなくな
てしまい
雨風をしのぐために
新聞紙をつぎはぎしてやりくりしたこと
思い出すのは
どれも道中の楽しか
た思い出ばかりだ
どこへ向か
ていたのは
もう二度と思いだせないかもしれない
けれど
それでいいじ
ないかという気もした
本当は
目的地など
どこにもないのかもしれないのだ
磯山さんに起きる気配はない
長年連れ添
た妻と子供に愛想をつかされ
別居を強いられた挙げ
健康診断にひ
医師の勧めで
辞めないと命の保
証はできない
と言われた人とは思えないくらい
幸せそうな
細工な寝顔だ
10年前も
20年前も
この人はこんな風にして
寝ていたのだろうなと思
そして
10年後も
20年後も
この人はこんな風にして
寝ているのだろうなと思
僕はタバコを1本
根元まで吸いつくすと
トイレに向かい
バケ
ツに水を注ぎいれて戻
て来ると
寝ていた磯山さんにバサ
とぶ
かけた
あち
磯山さんが奇怪な叫び声をあげて
ムクリと起き上がる
僕はそのハゲ頭をパシンと叩いた
傍らでは
若い連中が言葉もなく
僕らを見ていた
頭のおかしな
人を見るような目つきだ
できるなら
彼らに教えてやりたか
子供と大人を隔てる
そんな便利な境界線なんかありえない
てこ
とを
あるとしたら
それは
どこまでも今と地続きの未来
延長
線だけなのだということを
僕は磯山さんから預か
ていた財布を取り出すと
そこから1万円
を数枚抜いて
ご迷惑をおかけしました
と店員に渡した
メガネをかけ
帰りますよ
と言
て磯山さんを肩に担ぐ
店員が何か言いかけたが
構うことなく足早に店を後にした
マナベ
店を出たところで磯山さんが叫ぶ
マナベ
学べ
マナベ
遊べ
ホテルがどこにあるのか
よく分からなか
でも
僕らは立ち止まらずに歩いた
そのうち磯山さんが
マナベ
小便
と言い出した
コンビニも何も見当たらないので
僕らは路地裏で用を足した
僕と磯山さんの連れシ
あの頃の自分が見たら
どう思うか
考えた
笑うだろうか
嘆くだろうか
どうしようもないと言いつつも
案外
変わ
てねえ
て笑
てくれる
そんな気がした
二人の小便から立ち上る湯気が
混ざ
て宙に消えてい
もし
僕がブル
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スハ
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プを吹くことができたとしたら
いい歌を奏でるだろう
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