第6のサヨナラ
もしブル
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スハ
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プが吹けたら
いい歌を奏でるだろう
その3
あの時
僕らは
一体
どこへ向か
ていたのだろう
卒業を間近に控えたある夜
僕らは
ちぎられアルト
というステ
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の貼られた
エン
ジンから絶えずカランカランと小石が混じ
たような音のする
うしようもないポンコツに乗
真夜中の道路を
猛スピ
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ドで
どこに行こうとしていたのか
全く思い出せなか
でも
僕らは
どこかを目指していたはずだ
どうでもいいことだと思いつつも
それは
とても大切なことのよ
うに思えた
思い出せなければ一生思い出せないような気もし
僕は携帯電話を取りだすと
あの当時
最も仲の良か
た友人に電
話をかけた
つつつつ
電話をかけるのは久しぶりのことで
心臓が高鳴
つつつつ
前に話したのはいつのことだろう
思い出せなか
つつつつ
何故
連絡をとらなくな
たんだろう
思い出せなか
つつつつ
出ろ
出ろ
電話に出てさえくれれば
何もかも帳消しにできるよ
うな気がした
全てを許してあげられるような気がした
でも
10コ
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ル鳴らしても
20コ
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ル鳴らしても
友達は出な
そのうち留守番電話サ
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ビスに切り替わ
僕は電話を
時刻は2時近か
僕は
電話をかけたことを後悔した
色んな意味で後悔した
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という甲高い悲鳴が聞こえた
いつの間にか
グル
と商店街を一周して
店の近くまで戻
てきてしま
ていたらしい
足下には
さきほど僕が倒した自転車が転が
ていた
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という声が
再び店の中から聞こえてくる
僕は慌てて店に戻
もしかしたら
僕がいない間に
磯山さんが若い連中や店長と
立ち回りを演じているのではないか
そんな気がしたのだ
磯山さんは
普段は
人とまともに目を合わせることもできず
くそれで営業なんか務まるものだとこ
ちが心配になるくらい小心
な人だけど
ひとたび
酒が入ると人が変わる
噂でしか聞いたことはないけれど
接待の席上
得意先に絡むのは序の口
僕ぐらいの年の頃には
上司に飛び蹴りをくらわして
クビになりかけたという逸話もあれば
縦列駐車していたベンツの上を
跳んで歩いたという噂もあ
店の中には
何の変化もなか
磯山さんは
僕が出て行
た時と
寸分変わらぬ姿勢で寝ていた
変わ
たといえば
大きないびきをかいているぐらいだ
若い連中は
僕らに背中を向けてテレビを見ていた
うど
この界隈をロケした深夜番組がや
ているらしく
見知
た場所やお店が登場すると
若い女が興奮して
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と叫ぶのだ
磯山さんには何の関係もなか
もしかしたら
若い連中にでんぐり返しを決め込んで
盛りのつい
た犬のように
女の子の体にむし
ぶりついて
何かしてえ
してえ
なんて叫んでいるのではないか
壊れかけた障子を
生壊れてろ
と言
徹底的に破壊しつくしているのではないか
そう思
ていただけに
安心する半面
かりしている自分がいて
僕は思わず笑
てしま
若い連中が
くりしたようにこ
ちを見る
磯山さんが
ゴゴゴゴと大きないびきを立てる
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