第6のサヨナラ
もしブル
|
スハ
|
プが吹けたら
いい歌を奏でるだろう
その1
高校生の頃
|
メン
と言うべきところ
|
メン
と大声で祈
た友人がいた
パンクな奴だ
もし生きていたら
別に死んだわけじ
なくて
単に卒業以来
一度も連絡をと
ていないだけだけど
どんな30歳にな
たのかな
たまに思
たりする
ドカン
派手な音がして
僕は我に返
会計を済ませて席に戻ろうとした時だ
見れば
磯山さんが障子を蹴破
土間にぶ
倒れている
何や
てるんですか
と体を引き起こすと
磯山さんは
ろれつの回らない口調で
でんぐり返しをしようとして失敗した
と訳の分からないことを言
駆けつけてきた店員と二人で
磯山さんの体を引き上げ
障子を立て直す
大丈夫だ
心配ない
磯山さんが何度もそう繰り返す
隣席の若い一団の一人が
と噴き出し
てめえの心配なんか
してねえ
つの
と小さく呟いて
一団はど
と笑
ムカ
とするのをぐ
と堪え
僕は
ほんとすみませんでした
自分より一回り若い店員に
何度も頭を下げた
障子は下3枚が破れ
骨の部分がポ
キリ折れていた
心中穏やかではなか
たが
コソコソ笑う若い連中が気にな
て仕
方なくて
僕は努めて何でもなか
た風を装
一杯や
ていかないか
という誘いに
かり乗
たのが運のつきだ
普段は低姿勢の磯山さんだが
酒癖の悪さは
社内でも噂だ
いつもなら
何か理由をつけて断るなり
たとえ飲みにでかけたと
しても
頃合を見計ら
て抜け出すところだが
今日は東北出張の
最中だ
戻る先は
同じ駅前のホテルと決ま
ている
誘いを断る
上手い口実が見当たらなか
明日も朝が早い
まさか
飲み潰れるようなこともないだろうと軽
く見ていたのがいけなか
磯山さんは
浴びるほど酒を飲んだ
今回の出張の結果が散
たるものだ
たことが
かえ
て美味い酒の肴にな
てしま
たのかもしれない
そのうち
目が座
ろれつが回らなくな
後は
お決まり
の絡み酒
気づけば
0時を回
ていた
しばらくしたら店長が出勤してくるので
それまで待
ていてほしいということで
磯山さんと二人
元の席で待たせてもらうことにな
磯山さんは悪びれた様子もなく
店員を呼びつけると
熱燗を追加注文した
挙句
腹が減
たと言い出して
マナベ
お鍋
僕の名前を何度も連呼して
くだらない親父ギ
グまで飛ばした
その都度
若い連中が敏感に反応して
オウム返しに
同じものを注文しようとする
乱れたバ
|
|
ド頭に
餓鬼のように突き出た腹
磯山さんが醸し出す
絶滅寸前のうだつの上がらないサラリ
|
マン
の調子が物珍しいか
さもなければ
そんな奴にペコペコして酒を
注ぐ僕の姿が
さぞ物悲しく映
たのだろう
よくよく見れば
高校生とい
ていいほどの幼い連中だ
高校生がお酒なんか飲んじ
ダメだろと思いつつ
そういえば
の当時は
自分も飲めない酒を一生懸命飲んでいたことを思い出し
自分を重ね合わせてふ
と苦笑いをこぼすけれど
俺も丸くな
たな
とうそぶく
あの頃
大嫌いだ
たはずの大人にな
てしま
たような気がして
僕は苦笑いを押し隠すように
磯山さんの目
の前の熱燗をひ
たく
ぐい
と飲んだ
Copyright©2010 be Nice Inc. All rights reserved.