第5のサヨナラ
おばあち
ゃ
んが末期がんになりました。
その2
今の私は
、
学校に通う以外のほとんどの時間を、
部屋にこもっ
て、
引越しを受け入れる代わりに買
っ
てもらっ
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をいじりながら過ごしている
、
﹁
いつでも、
つながっ
てるからね﹂
っ
て、
明美やリカと一緒に始めた
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w
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。
せめて
、
今の自分がおかれた状況を少しでも知っ
てほしい。
そう思っ
て、
﹃
圏外発見なう﹄
﹃
まだル|
ズソッ
クスを履いている子がいる﹄
﹃
ヘルメッ
トで通学してる人がいる﹄
﹃
最近、
クラクショ
ンの音を聞いてない﹄
なんて自虐的に書き込んでいたら
、
そのうち
、
私のつぶやきは、
本物の独り言になっ
ていた。
※
﹁
お見舞い行くけど、
どうする﹂
5時になると
、
いつものように、
階下からママが大きな声で叫ぶ。
私は返事をしない
。
最近
、
ママは、
車を運転するようになっ
た。
おばあち
ゃ
んの介護や、
ご近所付き合い、
それから家のこと、
﹁
目の回るような忙しさだ﹂
という割には、
何だか東京にいたときよりも
、
いきいきしているように見えて
、
私にはそれが気に入らない。
引越しが決ま
っ
た時は、
私と同じくらい、
反対して、
落ち込んでいたくせに
。
※
フ
ォ
ロ|
している数138、
フォ
ロ|
されている数49T
w
i
t
t
e
r
のフォ
ロ|
している数とか、
フォ
ロ|
されている数とか
、
どうしてオ
|
プン表示されるんだろう。
その人に
、
どれだけ価値があるかないかを示しているみたいで、
私はどうしても
、
好きになれない。
フ
ォ
ロ|
されている数が200を超えていないと、
就職試験を受けられない会社もある
。
そんなことがこの間のニュ
|
スでやっ
ていた。
私みたいにフ
ォ
ロ|
してばっ
かで、
されていない人は、
き
っ
と友達の少なそうな、
使えないやつっ
て思われるんだろう。
思い返してみれば
、
私はT
w
i
t
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r
に限らず、
いつもそんなタイプだ
っ
た。
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のマイミクもそうだっ
た。
携帯の登録数もそうだっ
た。
※
﹁
本当の友達が一人いればいいじゃ
ない﹂
量より質にこだわるママなら
、
そう言うだろう。
﹁
所詮はヴァ
|
チャ
ルじゃ
ないか﹂
リアリテ
ィ
にこだわるパパなら、
そう言うだろう。
パパもママも
、
私を子供だと思っ
て馬鹿にしていると思う。
本当の友達が一人いればいい そんなのは当たり前のことだ
?
。
本当の友達が一人もいないと思うから
、
苦しいんだ。
ヴ
ァ
|
チャ
ルであっ
たとしても、
それを利用して、
その人とめぐり合おうとするのが
、
どうして意味のないことだと
、
誰が言い切れるのだろう。
※
﹁
ねえ、
お見舞いホントにいかないの?
﹂
ママが言う
。
私は応えない。
おばあち
ゃ
んが、
入院したのは春先のことだ。
階段から落ちて
、
大腿骨を骨折して入院した。
骨折自体は
、
それほど大したものではなかっ
たが、
その後の検査で
、
肝硬変が見つかっ
て、
そのまま入院することになっ
た。
ママ曰く
﹁
気丈な人﹂
なだけに、
トイレにいくにも何をするにも、
誰かの力を借りずにはいられない
、
自分の弱さが応えたのだろう。
おばあち
ゃ
んは、
みるみるうちにボケてしまっ
た。
※