第5のサヨナラ
おばあち
んが末期がんになりました
その1
みんな
薄情者だ
明美もリカも
柴田も小林も
絶対
忘れないからね
て言
ていたくせに
私のことを気にかけてくれたのは最初だけで
越して1
月も経つ頃には
ほとんどメ
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ルもなくな
のつぶやきも
新しいクラスのこととか
新しい先
生のこととか
私の知らない言葉で埋め尽くされるようにな
だから
引越しなんて嫌だ
たんだ
私は
月前まで
品川の都立高校に通
ていた
パパの実家に引
越してきたのには
2つ理由がある
1つは
パパの仕事が上手くいかなくなり
このまま東京で暮らしていけなくな
たこと
もう1つは
おばあち
んが
病気にな
て介護が必要にな
たこ
私は中学校3年生にな
たばかりで
進路のこととか
将来のこと
とか
ぼんやりだけど
考え始めていた頃だ
今更
越すなんてありえない
自殺行為もいいとこだ
初めは頑なに抵抗したけれど
無駄だ
越した先は
福井県にある
とても退屈な町だ
ここで18歳まで生まれ育
たというパパは
小さい頃に
よくここで遊んでいたんだよ
越してきた当初
そう言
私を思い出の場所に案内してく
れた
海を見て
うわあ
すごい
すごい
すごい
山を見て
うわあ
すごい
すごい
すごい
最初の3日で
私は
うんざりしてしま
とス
|
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に買い物に行くにも
車で10分
洋服を買おうとしたら
1時間に1本の電車に揺られて30分
袖が鼻水でテカテカした学生服を着た
ヘルメ
ト姿の中学生が私
を見て
ニキビの膿んだ頬をゆがめて笑うのを見て
私はすぐに
この場所が嫌いにな
転入先の学校で
私はみんなからイロモノのように扱われた
こんな時期に
東京からの転入生が
前の学校の制服を着用して現
れたのだ
無理はない
私だ
同じ立場なら
なんだこいつ
と思うだろ
制服に関しては
ママからは
あと1年だけだし
うちには買い換える余裕もないから
何とか我慢して
て言われ
ていた
分からないでもないけれど
それを言うなら
何故あと1年
越すのを我慢してくれなか
たの
て感じだ
私はまるで
サバンナに放り出された
チワワの気分だ
パパは
子供同士ならすぐに仲良くなれるよ
て大して気にもと
めてくれなか
たし
ママも
ちの子供はあ
ちと違
たりした子が多いから大丈夫よ
なんてお気楽なもんだ
たけれ
そもそも
私達はパパが考えるほど子供ではないし
たとえ
ママが思うように
だの
だの区別があ
たと
しても
だからとい
何かを大目に見てくれるゆとりなど
るはずがない
私達は20歳でもなく
10歳でもなく
15歳だ
そのうち
私の家が
経済的に
ちもさ
ちもいかなくな
やむなく東京を追われたことが
どこからともなくリ
|
クされ
学校での私の立場はますます複雑なものにな
イジメの対象にな
ていないことの方が
むしろ奇跡的だ
私は
息を殺した
すべての人と距離をおいた
ただ時が過ぎ去るのを待つほかなか
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