第4のサヨナラ
君の成長が
嬉しくもあり
寂しくもあ
その2
君は
いつから人前でパパとかママとか言うのをやめたのだろう
君は
いつから電車に身投げした人の死後まで懸念するようにな
たのだろう
時折
ふと思うことがあるのだ
本当のところ
君は私が想像している以上に
とず
と早く
大人にな
ているのではないかと
 
君は
私の思惑など一から十まで承知の上で
ただ私を喜ばせるために
行きたくもないような場所へ連れていけ
と懇願し
欲しくもないようなモノをねだり
あえて
無邪気な自分を装
ているのではないだろうかと
電車は停ま
たまま
動く気配がない
このまま電車が停ま
たままならいいのに
そんなことをふと思う
君はリ
クからデジカメを取りだすと
今日撮
たばかりの写真
を眺め始める
今日も一杯撮
たね
君は
一枚一枚プレビ
|
を確認して
満足げに呟く
お気に入りだと言
て見せてくれた2シ
ト写真
君も
私も
とびきりの笑顔で写
ている
こうや
て君と二人で顔を並べて眺めていると
はるか昔のことのように思えてくるから不思議だ
ママに見せるという理由で
君がはじめたことは
いつの頃からか
私と会う時の
君の日課にな
撮りためた写真は
どのくらいの数になるのだろう
百枚
二百枚ではきかない
膨大な量の記録達
でも
そのうちの一体
どれだけが
君の記憶に残るのだろう
君との思い出の写真が
増えれば増えるほど
私は言い知れぬ不安に駆られる
君にも話したことがあるかもしれないが
私の父は
私が小学校に上がる前に亡くな
事故だ
私には
父と過ごした記憶が
ほとんどない
アルバムで確認する限りは
父は私を連れて
動物園に出かけたり
山を登りに行
たり
な場所にでかけていた
ずいぶん子煩悩
な父だ
たように思える
でも
実際のところ
父との思い出のうちで
写真の力を借りずに覚えていることは
ほとんどない
顔も姿も
後からこしらえた
まがいものの記憶ばかりだ
包茎
て知
てるか
私は言
ホウケイ
君はデジカメから顔を上げると
首を振
当然のことだ
何でもいい
君と話をしていたか
前の席に座
ていた
くりのセ
|
|
を着たおばさんが
なん
てことを言い出すんだと
顔をしかめる
私はそれには構わず
体を屈め
君の股間をトントンと軽く叩くと
父さん
手術を受けたことがあるんだ
と声を潜めて言
何かの病気
君は照れ笑いを浮かべる
病気じ
ない
私は言う
でも
お父さんのお母さんは
それを病気だと思
たんだ
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