最後のサヨナラ
サヨうであるナラば
いざゆかん
その7
ライトのセ
ングが
上手くいかなか
それが
手の震えのせいだということに気づいて
少し可笑しくな
死体を見るのは
これが初めてのことではなか
20歳の時
孤独死した老人の遺骸を発見したことがある
伊藤さんという70歳を超える
老人だ
当時
俺は出版社で倉庫整理のバイトをしており
伊藤さんは
その同僚だ
どこかの建設会社を定年退職した後に働き始め
以来
十何年に渡り
一日も欠かすことなく
一度として遅刻することなく
働き続けた
寡黙で真面目な人だ
そんな伊藤さんが
夏休み明けの3日間
何の音沙汰もなく
仕事を欠勤した
編集部の人に
様子を見て来い
と言われて
 
足立区のアパ
トに立ち寄
たら
既に死んでいた
死体を間近に拝んだわけではなか
でも
た匂い
無数のハエ
死は部屋中に充満して
ドアの外まで漏れ出していた
女の超えた手首を
かみそりが引かれる
切り開かれた一本の線から
すらと赤い血がにじんでくる
俺はシ
を切
私さあ
こんなぶくぶく太
たけど
昔は
ここまでじ
なくて
結構
可愛か
たんだよ
でも
信じていた彼に裏切られ
てさ
二股
現場がばれたら開き直
てさ
お前みたいなブタ
言われたの
ひどくない
そうですね
喋る相手に飢えているのだろう
女は聞いてもいないのに
ベラベラ喋
それでストレスで太
てさ
就職もぜんぜんできなくて
まあ
うがないんだけどね
けど
ふんだり蹴
たり
て感じ
よね
ホントついてなか
女の話には脈絡がなか
子供の頃にいじめられた時の話をしていたかと思
たら
突然
昨日の夕ご飯に食べたお寿司の話にな
女はネギが嫌いだが
トロが大好きだと言
お寿司を食べに行
た時は
ネギトロをいつも頼むのだが
本当はネギ抜きで注文し
たいらしい
でも
そう言うと店の人に嫌な顔をされるような気が
して
なかなか注文できない
それでネギトロをそのまま注文して
ネギだけを抜いて食べるのだが
自分の人生はそれと同じような
ものだ
と言
意味が分からなか
分かるつもりもなか
そうですね
と相槌を打
俺はシ
を切り続けた
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