最後のサヨナラ
サヨうであるナラば
いざゆかん
その6
 
女の準備ができるまでの間
暇つぶしに
室内を撮
せめてもの良心というか
何というか
女がこれまで歩んできた
人生みたいなものを
ておこうと思
たのだ
女の部屋は
ものすごく汚か
自ら
片付けができない
と評していたが
それは自嘲でも誇張でもなか
至る所にモノが散乱していた
ぱい匂いに満ち満ちていた
爪先立ち歩いていた足の裏が
すぐ黒くな
死ぬ
というからには
死ぬに値する理由があり
それと比較対
象になるような
それなりに幸せだ
た過去とか思い出とかがある
かと思
たけど
その部屋からそういう類のものを感じとることは
できなか
ただ
汚いだけだと思
 
ゴミ箱と一緒だ
どれだけ長い時間を共に過ごしたとしても
ゴミ箱に
愛着を抱くことはない
それは
ゴミを捨てるための場所でしかない
この女が死んだら
誰か悲しむ奴はいるのだろうか
考えた
多分
いないだろうと思
だからこそ
死にたいのだし
実際に
死んでしまおうとするのだろう
Copyright©2010 be Nice Inc. All rights reserved.