最後のサヨナラ
サヨうであるナラば
いざゆかん
その1
これ
作品集をめくる女の手が
ピタ
ととまる
そこにはポラロイドで撮影した
ボロボロの車の写真が貼り付けられている
次のペ
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ジにも
次のペ
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ジにも
それらは同じ写真のようでいて
微妙に違う
車は
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ジをめくるたびに
傷つき
色あせていく
何これ
女が笑う
かつて
近所のドラ
グストアの駐車場にとめられた
一台の車を
一年がかりで撮り続けたことがあ
駐車場は
百台近く停められるほど巨大だ
余りの広さ故に
管理するのが難しか
たのだろう
そこは常に不法駐車であふれかえ
ていた
深夜を過ぎても
朝にな
ても
次の日にな
ても
同じ場所に車が停ま
ていた
中には
停められたのではなく
捨てられたものもいくつか存在した
白いステ
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ンワゴンは
その中でも
一番の古株だ
いつから停ま
ているのか
誰にも分からない
気づいたら
そこにあ
そんな感じ
当時
俺はバイトの行き帰りに
毎朝
毎夕
その駐車場を通らなければならなか
ある朝のことだ
駐車場をいつものように通りかか
た時
一台の車の窓ガラスにヒビが入
ているのに気づいた
昨日にはなか
た傷跡だ
夜の間に
誰かが相当な力を込めて
叩いたのだろう
ヒビは
くもの巣のようにガラスを侵食していた
それを除けば
昨日と変わらない今日だ
向かいの民家の庭で
ランニング姿の老人が水を撒いていた
間近に停められたタクシ
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の中で
アイドリングしながら仕事をさぼ
ていた
明日も明後日も続くであろう
いつもと変わらない平穏で
退屈な一日だ
そんな中
一夜にして
変貌を遂げた姿に心かきたてられ
俺は
夢中でシ
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を切
それが車の一生のはじまりだ
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