のサヨナラ
愛の鉄の巣
その4
どうしたの
それ
食べた
うそ
うそよ
私はスコ
プとバケツの入
た砂場遊びをするための道具を手に
アパ
|
トの裏手にある
空き地に向か
スコ
プとバケツは
以前
階下に住んでいた夫婦が引
越してい
く際に
忘れてそのまま放置してい
色あせて小汚いスコ
とバケツだ
置き忘れたのか
それとも
不要にな
たのか
どちらかは分から
ない
と新しい場所に移
そこにふさわしい
真新しいも
の買い直したことだろう
出て行
た者は
誰も振り返らない場所
なのだ
私はスコ
プを使
小さな穴を掘
その間
スズメの夫婦が心配して
私の周囲をぐるぐると舞
てい
時折
悲しげにち
んち
ん鳴いた
日頃同じように聞こえる
鳥のさえずりにも
なものがあるということを私はその時
じめて知
私は
穴の中に
タマゴがくるまれたスズメの巣をそ
と横たえて
土でフタをした
そして
傍らにあ
た小枝を墓標代わりに突き刺
して
手を合わせた
どうして
そんな残酷なことができたのか
今でもよく分からない
ただ
もし私がスズメだ
たら
鉄の巣を築いただろう
と思
風にも換気扇にも
びくともしないくらい強く
ゲスな人間に触れられることもない
高い場所に
鉄の巣を築くだろうと思
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