のサヨナラ
ハルウララ
サイレンスズカ
その6
雄也さんも
と死なないと
とまらないんだね
ツヨシが言
そうかもな
俺は応えた
確かに
負けるぐらいなら
死ぬことを選ぶだろうと
強がりではなか
雄也さんは
どうしたいわけ
ツヨシが言
興奮して声が
裏返
ている
まだお金が欲しいの
 
どこへ行きたいの
 
誰と
 
僕と
 
それともレイコさんと
 
それでいて
会社も守りたい
 
欲張り
だよ
死ぬよ
そんなことしてたら
ポキ
て折れて
競争中止だ
走れないサラブレ
ドには価値がないんだよ
予後不良だよ
殺されるよ
ツヨシがまくしたてるなんて
初めて見た
俺の心配なんかするなよ
心配なんかしてないよ
なんか
見ていてむかつくんだよ
いつだ
たか忘れてしま
たが
ツヨシが事件を起こして
警察にし
ぴかれたことがあ
警察から電話がかか
て来た時は驚いた
何の罪状かというと
店の行列に横入りして
トラブルを起こしたのだいう
俺が知る限り
行列に並ぶ人を
ご苦労様
とあざ笑いこそすれ
そんなことをして
得をしようとする人間ではなか
別に
聞けば
そもそも
そこが何の店で
何を求めて行列ができていた
のかさえも知らなか
たらしい
警察の問いかけにも
頑として口
をつぐんだままだ
事件の現場にな
たのは
俺の会社のあるビルの近くで
訳も分か
らず責任を感じた
なんか
むし
くし
したんだ
見ていて
むかついたんだ
当だよ
むかつく
あの時も
ツヨシはそう言
ていた
いつも思
てた
雄也さんの会社に行くたびに
こいつら何並ん
でんだ
幸せに順番待ちなんてないだろ
並んだら幸せが手に
入る
そう思
てるところが頭くるんだよ
ツヨシは
と以前から
何かを得るために戦うのではなく
たものを失わないために戦う俺を
不毛だ
と嘲り続けてきた
べてを手放してしまえば楽になるのにと
ねえ
ツヨシが言
一緒に死んであげようか
ンフ
|
レの音がした
|
フに次のレ
|
スに参戦するサラブレ
ドが
と入場してくる
それもいいな
俺は笑い返した
よし
ツヨシがぴ
んと跳ねた
賭けようよ
何を
人生さ
決ま
てるだろ
柵沿いに歩みを進めてきた一頭の馬が
ツヨシに吸い寄せられるよ
うに歩み寄
てきた
ツヨシが差し出した手に
人懐
こく鼻面を
摺り寄せてきた
きれいな栗毛の馬だ
僕は
この馬でいいよ
雄也さんは
ツヨシは6番のゼ
ケンをつけた馬を見送ると
雄也さんが勝
たら
一緒に死んであげるよ
と言
お前が勝
たら
雄也さんは会社を辞める
手を引く
それは無理だ
僕だ
て命を賭けるんだ
それぐらい無理なことをしてもらわな
くち
むち
くち
だな
あと一つ
追加してもいい
何を
僕が勝
たら
レイコさんとやり直すこと
レイコと
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