第1のサヨナラ
大好きな人とのメ
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ルの終わらせ方
その3
あいつに連絡をしようと
私は携帯を手にと
きちんとサヨナラを言うべきだと思
たのだ
時刻は2時半を過ぎようとしていたが
もうこれを逃したら連絡を取る機会はなか
下手なメ
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ルを打てば
律儀なあいつはまた返事を返してくる
でも
それではダメなのだ
携帯を開く
大輔からメ
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ルは来てい
ない
そんなのはどうでもいい
本当はどうでもよくないけど
いつも最優先事項なのだから
たまにはう
られてしかるべき
だと思う
あいつの連絡先は容易に見つかる
後はボタン一つだ
本当に電話するの
少し怖くな
携帯を閉じる
こんな時間に
後輩の女から電話がかか
てきたら
内容云
は別にして
自分に気がある
て思われるだけじ
ないの
私はあり
たけの理性を振り絞
冷静に考える
客観的に考え
あいつに
腕枕をされているところを想像しろ
大越君は
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ルの件があ
てから
あいつのことをからかうよう
にな
あいつが
いきそうにな
てる顔を想像しろ
あいつ自身には
一切セクハラ的な要素はない
男というより
性別を失
キコリ
のような奴だ
でも
だからこそ
みんな笑
私も笑
若い連中を中心に
あいつがセクハラの象徴のように扱われていた
のは
大越君のせいというより
ぺらぺら喋
た私のせいだ
ごめんなさい
でも
今更そんなことを言
てどうする
違う
貯金箱だ
私はあのお金の行き先を知りたいと思
パンパンに膨れ上が
た貯金箱は
知らない間に空にな
回収された金はどこへ消えてい
たのだろう
もし
気まずくな
たら電話を切ればいい
しつこくしてくるようなら
着信を拒否すればいい
もう二度と会うことはないのだ
最終的にはそれが言い訳にな
最後に一言
サヨナラを言うのだ
けれども
あいつは電話に出なか
10度目のコ
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ルの後
電話は留守電につなが
機械の音声が喋る間
私は言うべきことをまとめ
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と言う発信
音の後に
長い間
本当におつかれさまでした
今日
きちんと
お別れ言
てなか
たと思
お電話差し上
げました
お世話にな
たのに
何もしてあげられなくて
本当にすみませ
ありがとうございました
これからも頑張
て下さい
サヨナラ
たとえ留守電であ
たとしても
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ルであ
たとしても
もう二度と会うことはないと
互いに分か
ていたとしても
サヨナラを告げることは難しい
汗ばんだ手とは裏腹に
体は冷え切
ていた
電話を切
た後
私はベ
ドにもぐりこんで
膝を抱えて丸くな
大輔と別れる時
私はきちんとサヨナラを言えるだろうか
男からメ
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ルの返事がない時
私はよく
来るべき別れの時を思い
描く
大げさすぎるかもしれないが
それが
私なりの対処法なのだ
妄想の中では
私が泣きすがる時もあれば
男が土下座する時もあ
大概は
好きだけど別れなければならない
私は悲劇のヒロインを演じている
でも
現実は違うと思う
別れはいつも
さりげなくや
てくる
それが最後の時だとは
誰も思いはしない
人生は
あの貯金箱のようなものなのだと私は思
私が肌身離さず持
ている携帯電話の中には
確かに
一日何十通にも及ぶ
小さなやりとりが詰ま
ている
でも
その積み重ねの先に
一体どんな幸せが待
ていると言うの
だろう
私は
携帯電話を枕の下に放り込むと
ただ目を閉じるに任せた
そして
サヨナラ
声に出さず呟いた
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