最後のサヨナラ
サヨうであるナラば
いざゆかん
その9
自殺する時はいつも
これから死にます
てブログに書くよ
うにしてるんだけど
今回は書き忘れち
今思い出した
のみち
もう見ることないから
別にどうでもいいんだけどさ
ていうか
可笑しいよね
かく死ぬのに
そのときだけ
書く
の忘れち
うなんてさ
それだけが今は唯一の心残り
ていうか
黙れよ
 
俺は言
女は
ブフ
と豚のように鳴いた
俺は部屋に取
て戻ると
派手にデコレ
ンされた携帯電話を
てきて
それを浴槽の女に手渡した
誰かに電話しろよ
俺は言
どうして
サヨナラ
てまだ言
てないんだろ
女は
うつむくと
そんな奴
誰もいないよ
と笑
それに私
そういうみ
ともないことしたくない
女は自分にもプライドがあると言
何がプライドだ
十分
ともないんだよ
女はひどいと言
たが
俺は相手にしなか
胸のむかつきを抑えようがなか
いいから
言えよ
お前が死んでくところを撮
ても
何も面白
くないんだよ
不細工だし
デブだし
誰もお前が死んだ姿なんか
見たくないんだよ
誰でもいいから
今までお世話になりました
サヨナラ
て言えよ
てることが分からない
て死ね
一人で
受け入れろ
俺は機材をまとめて
風呂場を出た
サヨナラ
伊藤さんは別れ際
必ず
そう言
また明日
でもなく
お疲れ様
でもなく
バイバイ
でもなく
御機嫌よう
でもなく
明日会うと分か
ていても
必ず
サヨナラ
と言
て別れた
ある時
倉庫の入れ替えが長引いて
朝にな
て作業が終わり
野家で朝飯を食べて別れた時があ
一度着替えのために家に戻
るだけで
次の作業のために数時間もしたら戻
てこなければなら
ない
そんな時でさえ
伊藤さんは
サヨナラ
と言
それじ
まるで今日が最期みたいじ
ないですか
ある時
編集部員の一人がそれを咎めて笑
伊藤さんは笑
たまま答えなか
伊藤さんは
戦争を経験した世代だ
俺が知
ている中では唯一と言
ていい
もしかしたら
今日と同じ明日が
明白に約束されている
そんな現実を
どこかで疑
ていたのではないだろうか
アパ
トの外に出ると
空に向けてシ
を切
数時間前に見たのと同じ
雲ひとつない青空だ
何度も何度もシ
を切
サヨナラ
本当のところ
俺には
伝えたいことなんて
何もなか
ただ
目の前にあるものを撮りたい
その瞬間
瞬間があるだけだ
何でもいい
一度しかない
その瞬間を切り取
胸の中に焼き
付けたか
待ちなさいよ
カンカンカン
アパ
トの階段を女が駆け下りてくる
半裸の状態で
手首から血をほとばしらせて下りてくる
俺は祈るようにして
を切
どこかにつなが
てい
ることを信じて
を切
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